シルクロード鉄道旅行-第4弾(ウルムチ→アルマティ)(10)

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アクトガイ→アルマティ

 アクトガイでは、南東・南西・北からやって来た3本の線路が合流する。ここから南東へ向かえば中国へ、南西に向かえばアルマティへ、そして北へ向かえばロシアへと線路は続いている。ちなみに、ロシアへ向かう線路を行けば、ノヴォシビルスクでシベリア鉄道に合流するはずだ。
 私はホームに降りて、ピロシキとペットボトル入りのお茶を買う。カザフでのはじめての買い物だ。ピロシキは柔らかくてとても美味しい。中に砂糖と炭酸の入ったお茶も、それほど違和感がない。カザフでの食事がどんなものか想像がつかなかったので不安だったが、この調子なら何とかなりそうな気がしてくる。

 19時40分、アクトガイを発車する。今までと進行方向が変わり、今度は南へ向かって走り出す。まもなく、進行方向の左側へ向かって1筋のレールが分かれてゆく。先程まで、この列車が中国からひた走ってきたレールだ。

 太陽は西の大平原に沈もうとしている。こんなに真っ直ぐな地平線を私は見たことがない。私はもちろん、経験豊富なはずのAさんも伝蔵さんも思わず息を飲む。私達は、その夕日の最後のかけらが大地の奥に姿を隠すまで、いつまでも飽きることなく眺めていた。
 日没後の残照の中に、広い水面が現れる。これがおそらく、中央アジアで2番目に大きいと言われるバルハシ湖であろう。だが、その姿はまもなく闇の中へと沈んでいった。

 私達は再び旅の話を始める。新疆・雲南・チベット・ベトナム・ミャンマー・バングラデシュ・インド等々、アジアの奥深くを巡る話は、私の憧れをかきたてるばかりだ。旅の夜に語られる旅物語は、尽きることなく続く。

 21時35分にマタイを出た列車は、23時50分にウシュトベに到着する。わずかに照明のある駅舎の近くで、こんな夜中でもおばさん達が食べ物を売り、乗客達がそれを買っている。その様子を見ながら、私は眠りにつく。

 4時過ぎ、列車が轟音をたてて鉄橋を渡る。渡っているのはイリ川だ。このイリ川は、中国・天山山脈を源とし、イーニンを通ってカザフに入り、バルハシ湖へと注ぐ大河だ。だが、夜明け前ではその姿を見ることはできない。
 4時20分過ぎ、早くも車掌さんが各部屋をノックして回る。アルマティに着くには、まだ早過ぎるのだが・・・。

 夜が明けると、窓の外には心なしか人造の施設が増えてきた気がする。アルマティに近づいているからだろう。南へ向かっていた列車は、やがてスピードを落とし、西へと大きくカーブする。5時30分、アルマティ1駅に到着。実はアルマティには駅が2つあり、それぞれ1駅・2駅と名付けられている。(ソ連式の実にそっけないネーミングだと私は思う・・・。)このN955列車の終点は2駅である。市街地の北部にある1駅の周辺は建物も少なく、あまり賑わいは無さそうだが、それでもここで下りる人も多いようで、ホームでは大きな荷物を抱えた行商人やポーターが活発に動き回っている姿が見える。
 5時45分、1駅を発車する。再び進行方向が変わり、今度は東へ向けて動き出す。そして先程通った北方からの線路と分かれると、南へと大きくカーブする。アルマティ周辺の鉄道幹線は北方から西方(シュムケント方面)へと伸びており、1駅はこの幹線上にある。だが市街地の中心部に近い2駅へは、言わば支線のような線路が1駅から伸びているのだ。
 ついに、30時間余りの鉄道の旅が終わる時が来た。並んでいるたくさんの車両とホームの姿がゆっくりと視界に入る。6時5分、終着のアルマティ2駅に到着。

続く
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バルハシ湖


アルマティ

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