シルクロード鉄道旅行-第4弾(ウルムチ→アルマティ)(8)

画像
ドスティク駅

 ドスティク駅に到着すると、乗客全員が駅に降ろされる。なぜなら、ここで列車の台車が交換されるからだ。このレールの写真からもわかるように、中国とカザフスタンのレールの幅は異なる。中国の方が狭く、カザフの方が広い。よって車両を取り替えねばならないのだが、乗客が大量の荷物ごと車両を移動するのは困難である。だから車両の上の部分はそのままに、台車の部分だけ取り替えてしまうのだ。
 まず、ここまで列車を牽引していた中国のディーゼル機関車が切り離される。私たちがホームに降りた時は、その肌色の機関車はホームのはるか向こうに行ってしまい、客車のみがホームに取り残される。次に、列車の最後尾にカザフの機関車が連結される。青色の、いかにもディーゼル機関車らしい車体だ。この時、Aさんの指摘でアスタナ行きの車両が最後尾に連結されていることに気付く。行き先表示板には「アスタナ-ウルムチ」と書いてある。どのようなルートを通るのか?それはレギュラー列車なのか?は全くわからないが、カザフスタンの首都アスタナまでは相当な長旅であることは確かだ。まだアルマティにも着いていない私だが、そこからはるか遠いアスタナへの旅を想像せずにはいられない。
 機関車が接続されると、まもなくして列車はアルマティ方向に向けてゆっくりと動き出す。つまり機関車側からはバックで運転しているのだ。列車は、駅の北側(すなわちアルマティへの進行方向)にあると思われる車両基地へと向かい、ホームからはその姿が見えなくなる。

 列車が台車交換している間、乗客達は駅舎の中で思い思いに過ごす。意外にもしっかりした造りの駅舎の中は、どういうわけか照明も無く真っ暗だが、ここには売店、レストラン、両替所、さらにはゲームセンターまである。ちょうどお昼時なので、多くの乗客はレストランに入っている。私達3人は、とりあえずカザフの通貨・テンゲを入手しようと両替をする。カザフでは日本円はまず扱っていないので、米ドルからの両替である。1ドル=約120テンゲ(2006年8月時点)なので、カザフでの価格表示は日本円に置き換えて考えやすいのだ。はじめて見るテンゲ札。そこに描かれているのは、アル・ファラビという中世イスラムの思想家なのだそうだ。
 思ったよりは設備の整っている国境の駅だが、何時間も暇をつぶせるほど刺激的な場所ではない。私はホームに出て、のどかな駅の風景をのんびりと眺める。時折、機関車が往来する他は、レール上を動くものは無い。反対に、鉄道の職員を乗せた乗用車がホーム上を結構なスピードで走っている(確かに、車1台分の幅はあるのだけれど・・・)。
 しばらくしてAさんがやって来た。何と台車交換の現場を見たと言う。それによると、駅の北側にある車両基地では、車両の両側にある機械で車両の上部を持ち上げ、その間に台車を入れ替え、また元に戻す。これを1台1台行うのだそうだ。何とも私は決定的な瞬間を逃してしまった。

 13時40分、ようやく列車が駅に再入線する。今度もバックである。それは、進行方向に機関車が連結されているからに他ならない。列車に乗り込んだものの、列車はしばらくの間動かない。前述の通り、空調の無い車内は列車が動かない限り風が入って来ないので暑い。もちろん、乾燥地帯の暑さは室内にいる限り大したことはないのだが。

続く
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