シルクロード鉄道旅行-第3弾(蘭州→ウルムチ)(13)

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7日目・8日目

旅の終わりに

 この旅もいよいよ7日目、新疆を離れる前にウルムチ市内を見物する。まず新疆ウイグル自治区博物館へ。ここには新疆各地から出土した貴重な遺物が集められている。まず驚くのが、木製製品の保存状態の良さだ。日本であれば、奈良時代の腐りかけた木簡が出土するだけで大騒ぎになるのだが、ここに展示されている木の道具や人形は、数千年の時を経ても元の形や色がほとんど失われていない。乾燥した気候のなせる技である。そして新疆の乾燥した気候は、あの「楼蘭の美女」を今に残したのだ。
 その「美女」は、埋葬当時(紀元前19世紀!)のままの衣装を身に纏って陳列ケースの中に横たわっている。今は骨と皮ばかりになったその容姿は、お世辞にも美しいとは言えないが、その睫毛や爪までがはっきりと残っているのは驚きである。ケースの隣には彼女の顔を再現したイラストがあって、それを見る限りはヨーロッパ系の美人らしかったことがわかる。彼女が眠っている展示室には、他にもその「お友達」が何体も眠っている。いずれも埋葬から2~3000年経っているご年配であるが、中には赤ちゃんのミイラもある。彼らが纏っている衣装は、いずれもミイラ同様に保存状態が良く、今でもそのまま着ることができそうだ。こうして数千年前のものが目の前に続々と現れ、次第に時間の感覚がおかしくなってゆく・・・。

 昼食にウイグル料理のレストランへ行く。ポロを初めて食べる。羊肉や干しぶどうが入っていて、抜群においしい。昼時(北京時間12時過ぎ)なのにレストランがガラガラなので不安になり、ガイドさんに聞いてみたところ、14時頃に最も混むとのこと。つまり新疆時間の12時頃である。

 食後の散歩にバザールを歩く。食べ物の屋台や、金物などの雑貨、衣料を売る店が狭い路地に所狭しと並んでいる。狭い通路は買い物客でごった返し、それなのに時々車が通る。子供達が群れを成して走り回っている。こういう風景は、シルクロードに限らず、世界のどこにでもあったはずだ。ここが一種の観光地となってしまうのは、身近な何もかもが「近代化」されて寂しさを感じている我々外国人がやって来るからなのだろう。

 午後は紅山公園に行く。ウルムチの中心部に聳える紅山に作られた公園だ。どちらかと言うと、観光客よりも地元の人の遊び場である。だが、山上の鎮龍塔(ウルムチ河が氾濫しないことを祈願する塔)の辺りから眺めるウルムチ市街の景色はとても良い。夜景ならもっと素晴らしいだろう。

 ついに新疆を離れる時が来た。紅山公園からタクシーに乗ってウルムチ空港へと向かう。上海行きの飛行機は19時に出発。出発時にはまだ明るかった空は、次第に暗くなる。中国の国内線なのだが、中国語以外の言葉も多く飛び交っているようだ。(何語だかさっぱりわからないが・・・)新疆の歴史や地理を考えると当然のことなのかもしれない。
 上海虹橋空港には23時過ぎに到着。遅い到着なので、空港近くのホテルを予約しているのだが、これが仇となって数台のタクシーに乗車拒否を食らう・・・。

 翌日、旅の最後の日も、朝ゆっくりと出発。タクシーで中山公園まで行き、地下鉄2号線に乗る。今まで何度も乗った上海の地下鉄に乗ると、安堵感と共に旅の終わりの寂寥感を感じる。今度こそリニアに乗り、浦東空港へ。浦東空港の「羅森」(ローソン)で昼食を買った時、旅はもう終わっているのだと気づいた。

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