シルクロード鉄道旅行-第3弾(蘭州→ウルムチ)(11)

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トルファン紀行(4)

 高昌故城やアスターナ古墳群の周辺には、ウイグル族の人々の家が多く建ち並んでいる。家々の前には必ずと言って良いほど縁台が置かれ、人々はそこに腰掛けておしゃべりしたり、道行く車を眺めて夕涼みをしている。1日の業を成し終えてくつろぐ人々の様子を見ていると、私達がほとんど失いかけている人間の自然な生活を目の当たりにするようだ。

 車は来た道を戻り、トルファンへと向かう。途中で車を止め、行きがけに見た巨大な火焔山をじっくりと眺める。この日は砂嵐も無く、山が良く見える。山肌に入った襞が炎に見えることからこの名が付いたと言われているが、これが良く晴れた真昼であれば、その「炎」の暑さも実感できたに違いない。
 この火焔山の麓には巨大な石油採掘施設もある。ここからは本物の炎が上がっていた。かつては白い絹が運ばれていたシルクロードは、現代では黒い石油が運ばれて行く。

 トルファンに着いた時は19時(北京時間)を過ぎていた。もちろん、日はまだ暮れない。町中にある広場には、屋台が店を出し始めている。その一つに腰を下ろす。シシカバブが炭火で焼かれ、その匂いが食欲をそそる。待つことしばらくして、そのシシカバブが皿に盛られて登場。脂ののった羊肉と十分に効いたスパイス。何本食べても飽きることはない。その他には、激辛スープに入ったうどんと、水餃子だ。夕暮れ時の涼しい風が、香ばしい匂いと音とを運ぶ。この風に出会って、疲れきった体に生気を取り戻したであろう、古の旅人達のことを想う。
 日が暮れてから、再度を歩く。屋台だけでなく、普通のレストランの前にも露天の席が並び、大いに賑っている。他のシルクロードの町と同様、この町も昼間は閑散としていて、夜になってから活気を帯びてくる。町のあちこちからウイグルの民族音楽が聞こえてくる。この町にも不愉快なことがたくさんあるに違いない。だが、そんなことなど何も無いかのように、楽しく賑やかに夜は更けてゆく。

続く
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