シルクロード鉄道旅行-第3弾(蘭州→ウルムチ)(9)

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トルファン紀行(2)

 トルファンに入って最初に行ったのはカレーズ、ではなく、その門前にある小さな食堂だ。ガイドさん達は早朝出発ということで朝食がまだであり、私もホテルで朝食が始まる前に出てしまったのでちょうど良かったのだ。絨毯が敷かれた台があり、食卓はその上に載っている。靴を脱いで台に上がり、座布団に腰掛ける。これがウイグル式のようだが、日本の食堂の座敷に良く似ている。出てきたのはニラ入りの饅頭だ。これを酢醤油につけて食べる。シンプルだが、なかなか美味い。
 一服した後でいよいよカレーズを見学。カレーズとは山の方で湧いた水をオアシスまで引いている地下水路のことである。総延長5000kmにものぼるというこの水路のおかげで、年間降水量が数mmというこの町が水不足になったことは無いのだとか。地下から流れ出してきた水に触れる。水の冷たさが心地良い。水路のすぐ脇にはぶどう園が広がっている。遠くの山々から運ばれて来た水は、ここで新疆特産の甘いぶどうへと姿を変えるのだ。

 次に訪れたのは交河故城だ。その名の通り2つの川が交わる地点にある。約2000年前の車師前国の時代からの城市遺跡だ。現存しているのは唐代のものが多いと言われている。入口から登ってみるとよくわかるのだが、この遺跡は巨大な岩場を掘削して作られているのだ。半地下とも言える城砦を作り上げた人々の労力にも驚くが、少なくとも1500年以上前の建物がはっきりと輪郭をとどめているのには感動する。通路を歩いていると、町の住民にひょっこり遭遇しそうな気さえするのだ。
 遺跡の奥(北側)には大仏寺の跡がある。寺の中心には巨大な仏塔がそびえている。今では青空の下で静寂に包まれてはいるが、かつてはここでどのような祈りが捧げられていたのだろうか?
 遺跡の西側は切り立った崖になっている。直下には緑の畑が広がり、そのすぐ向こうには再び断崖が立ちはだかる。もちろん素晴らしい眺めなのだが、夕暮れ時にはもっと美しい風景になるに違いない。古の人々も、ここで夕涼みをしていたのかもしれない。

 古代のトルファンを支配していた宗教が仏教だとすれば、仏教に替わってこの地を支配し、現代にまで及ぶのはイスラム教である。蘇公塔はトルファンのイスラム建築を代表する建物だ。十数種類もあると言われるウイグル族の模様が彫られているその塔には、かつては登ることができたらしいのだが、今では隣接するモスクから外側を眺めるしかない。
 それにしても、北京を出発して国としてはまだ中国の中だが、文化圏としては既にイスラム圏に到達したのだということを改めて思うと、感慨深いものがある。

 ここまで回ってようやく昼となった。今晩泊まるホテルへ向かい、昼食。清真料理だ。豚肉が出ない代わりに羊や鶏がメインとなる。ゆでただけの羊肉がおいしかった。大して調味料が使われていないのだが全くクセが無いのだ。満腹になった後は、部屋に戻って休憩する。

続く
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